【竹取物語の言葉】 この児のかたちきよらなること世になく・・・
この児のかたちきよらなること世になく、
屋の内は暗きところなく光満ちたり。
竹取物語
竹取物語
日本最古の物語と伝えられ、「物語の祖(おや)」とも言われる。遅くとも平安時代初期の10世紀半ばまでには成立したとされ、かな(元は漢文)によって書かれた最初期の物語の一つである。成立年、作者ともに未詳。『竹取物語』は通称で、『竹取翁の物語』とも『かぐや姫の物語』とも呼ばれた。内容は、「竹取の翁(おきな)」によって光り輝く竹の中から見出され、翁夫婦に育てられた少女かぐや姫を巡る奇譚。かぐや姫は五人の貴公子から求婚を受けるもこれを退け、帝から召し出されても応じず、八月の満月の夜に「月の都」へ帰る。『万葉集』巻十六の第三七九一歌には、「竹取の翁」が天女を詠んだという長歌があり、この物語との関連が指摘されている。