【草間彌生の言葉】 私のやることなすことは、何故か知らぬ間に誤解やスキャンダルの只中に立たされ・・・
私のやることなすことは、何故か知らぬ間に誤解やスキャンダルの只中に立たされ、大真面目になればなるほど、外部との事態は悪くなっていきました。
私の芸術の社会的結果は、前衛であるという姿勢においてはいつも惨めだったのです。
体勢と規制の壁はいつも厚く、マスコミの暴力にもあいました。
人類の精神的な退化が、われわれの前途の太陽をいつもさえぎろうとするのです。
それでも私はひたむきに前衛の姿勢をもって、新しい未来の歴史を作っていきたいと願ってきました。
そうするうちに、私の前衛芸術は、世界の美術の歴史のなかでしだいに新しい領域を開拓してきました。
私はそのことに誇りを感じています。
草間彌生
1929年長野県生まれ。前衛芸術家、小説家。1957年渡米。画面全体に編目を描いたモノクローム絵画やソフト・スカルプチュアで高い評価を得る。1960年代後半には多数のハプニングを行う。1973年帰国。美術作品の製作を続けながら、小説、詩集も発表。2011年~2012年には大規模な回顧展がテート・モダン、ホイットニー美術館などで開催された。国内では、「永遠の永遠の永遠」展が静岡、大分、高知などを巡回する。