【顧炎武の言葉】 文章が天地の間に絶えてはいけないというのは・・・
文章が天地の間に絶えてはいけないというのは、道理を明らかにするものだからである。政事を記録するものだからである。人民の言おうとして言いえないことを、はっきりさせるものだからである。人々の善をいうのを楽しむものだからである。このようなものは世の中に益があり、将来に益がある。一遍多ければ一遍だけの益がある。
理性でわりきれぬ怪刀乱神のこと、ばかばかしい言葉、古人の考えを失敬した説、権威にへつらう文。このようなものは、当人には害があり他人には益がない。一遍多ければ一遍だけの損がある。
顧炎武
1613年7月15日 -1682年2月15日
中国明末、清初の儒学者。明の滅亡に際して反清運動に参加した。経学や歴史学の研究の傍ら経世致用の実学を説き、考証学正統派の始祖とされる。